私は、日本の大学院とハンガリーの大学院の両方の課程を修了しました。
その経験から、日本と海外の大学院の違いがあるので、その違いについてまとめていきたいと思います。
日本の大学院の特徴
・研究に力を入れている
1年次から研究計画書を立案し、それに沿って修士論文の完成に向かう
研究助成金に応募したり、学会参加の機会も多い。
・所属する教室による研究指導が充実しているー定期的なゼミの開催等
日本の大学院生の1日の流れ(私の場合)2年次
7時 大学院の研究室
午前中は、研究データの分析
13時 運動
午後 講義1コマ(90分)
15時 研究データの分析 又はティーチングアシスタント業務(TA:いわゆる、教授の講義の手伝い)
20時 帰路に着く
23時 就寝
ハンガリーの大学院の特徴
・専門知識の座学が中心
・座学の課題としては、論文やデータを検索して、グループワークでまとめ、プレゼンをする
ちなみ、プレゼンは最低週に1回はありました。多い時には週3回も!
・研究に割く時間はそんなにない
研究は、2年次のはじめから計画をたてはじめ、1年かけて行う。ただし、文献検討でもOK。
私の場合は、研究プロジェクトを手伝わせてもらい、その一部のデータについて、修士論文としてまとめました。
ハンガリーの大学院生の1日の流れ(私の場合)2年次
8時半 大学院の講義
16時半 大学院の講義
17時~20時 講義の課題作成、予習・復習
22時~23時 グループワーク(クラスメイトは同じ寮に住んでいたので、寮で集まることが出来ました)
0時 就寝
以上のように、それぞれの特徴を大きく挙げてみたのですが、大きな違いは、研究に重きを置いているか、専門分野の知識の獲得に重きを置いているかだと思います。
日本の場合は、修士論文を完成させるために、1年次のときから研究計画書を作成し、倫理審査を通してというプロセスを辿ります。ですので、講義のコマ数はそこまで多くなく、自分の研究テーマを自分のペースで進めることが出来ました。
しかし、ハンガリーの場合は、知識を獲得する座学が中心で、プログラミングの講義・演習をはじめ、1日ぎっしり講義が入っている状況でした。座学では、中間テストや期末テスト以外に、講義前のテストがあり、これからをトータルして、評価がなされるという感じでした。ちなみに、期末試験で、50%以上を取らないとFailです。再試験は、2回までで、試験を受ける度に、難易度が上がります。ですので、再試験で合格するのは至難の業です。
日本の場合だと、大学院を辞める理由として、研究室と合わない、教授と合わないが上位にくるようですが、ハンガリーの場合は、試験の難易度も高く、試験で単位が取れないことが大学院退学の大きな理由です。ちなみに、私の在籍していたハンガリーの修士課程における、ストレートで卒業する割合は、毎年6~7割です。
日本の大学院、海外の大学院、それぞれに特徴がありますので、留学する前に知っておくといいのかもしれません。