海外留学あるいは、日本の大学院に進学するとぶち当たる壁が、英語でのプレゼンテーションではないでしょうか。
私も、英語でプレゼンテーションをすることは本当にストレスでした。事前準備の段階で、さまざまな本を参照してみたりしましたが、なかなか理解することが出来ませんでした。
しかし、プレゼンテーションの回数を重ねる毎に、プレゼンテーションには、型があることに気づきました。
その型について、準備、実践毎に、まとめていきたいと思います。
準備
デザイン:最初に、どのようなスライドにするのが、デザインを迷うと思います。基本的には、聴衆に合わせることが大事ですが、プレゼンター自身がいいと思うというスライドでいいかと思います。
というのも、ハンガリーの大学院の講義におけるプレゼンテーションにおいて、留学生の出身の国・地域でスライドの好みがあるためです。
アフリカ諸国:赤や青・黄色などの原色を多用したスライド
イスラム諸国:灰色などのダークな色を好む
ヨーロッパ:シンプルなスライド
日本:薄いピンクや水色を用いた柔らかい雰囲気のあるスライド
ですので、国際学会の場合は、プレゼンターがいいと思うスライドデザインでいいかと思います。
文字/フォント:文字は26ポイント以上で作成することが基準です。フォントは、英語の場合、Arielを用いると無難とされています。
ボリューム:スライドは1枚1分の計算で作成します。例えば、15分のプレゼンテーション時間だと、15枚のスライドを作成するのが目安となります。
その他:学術学会でのプレゼンテーションでは、絵・イラストなどは入れないことに注意をしなければなりません。また、図を挿入する場合には、矢印の向きや、丸や四角などの形、そして、その大きさについても意味を持つとされているので、図を入れる場合は熟考することが重要です。
内容
プレゼンの内容は、たくさんある情報の中から、情報を削る作業に注力することをお勧めします。
たまに、言いたいことがたくさんありすぎて、細かい情報が入り込みすぎて、聴衆が内容についていけないことがあります。よって、情報の芯の部分だけをまとめることを意識されるのをお勧めします。
ポイント1
そのためには、プレゼンテーションで何を強調して伝えたいのかを予め決めておくことが大事です。
例えば、私の博士論文審査での最終プレゼンテーションでは、その計画の精密さを伝えたいために、方法論を強調して伝えることにしました。その際、方法論で時間を割く分、結果や考察を削る作業に注力しました。
一方で、同じ博士論文のデータでも、学術学会で発表する際には、結果と考察を主に伝えることに焦点を当てて、内容の精選を行いました。
このように、何を強調するかを予め考え、それに即して全体のバランスを考えることが重要になってきます。
ポイント2
何を強調するかを決めたら、言いたいことを箇条書きにして、ストーリーを作りましょう。
ポイント3
ストーリーを作り、可視化したら、時間配分を決めていきましょう。そして、その時間内で収まるような詳細な文章などを決める作業に入っていきます。
プレゼンの原稿作成
1枚のスライド毎に、メモを作成して、何を伝えるかを考えていきます。
決して、原稿を読み上げることをしてはいけません。海外ではタブーです
そして、原稿を丸暗記しようとすることは無謀です。やめましょう。
原稿を通して、自分が何を言いたいのかについてしっかり整理をしていきます。まずは日本語で整理をして、十分に理解をしたうえで、英語に翻訳しましょう。
コツは、自分のスライドをメモ代わりにして、それを自分の言葉で説明することです。そのため、併せて、スライドの言葉の表現を変えてみたり、配置を変えてみたり、微調整を行っていきます。
そうすることで、原稿がなくても、自信をもってプレゼンテーションに挑む事ができます。
※プレゼンテーションが上手な留学生2名からも、この方法がベストだと聞いているので、間違いないでしょう。
実践に向けて
練習が非常に大事です。私の場合、英語の発音にかなり難があったので、作成した文章をGoogle翻訳ソフトに読ませ、発音させて、それを録音して参考にしていました。
そして、自分の発音をレコーディングして、Googleの発音と比較して、何が聞き取りにくいのかを適宜修正していきました。
何度も自分で練習をしてある程度自信が持てたら、最後に、クラスメイトの前で、模擬演習をして、フィードバックをもらいます。また、同時に相手のプレゼンテーションを聞くことで、自分の更なるプレゼン力にも結びつきました。
これまで、本当に様々な方法を試してみたのですが、上記の方法が一番、効率的で効果的でした。
本番
必ず、聴衆に視線を送り、堂々とした態度で臨むことが大事です。あと、忘れがちですが、聴衆の注目を得るために見た目に気を遣うことも同じくらいに非常に重要です。
自分に置き換えてもそうですが、ビジュアルのいい先生だと、そうでない先生の講義を聞くよりも、無意識に注目がいくというのと同じ感じです。
プレゼンの上手なクラスメイトも、プレゼン当日は、スーツで来たり、身なりを整えて来ていました。聞くと、プレゼンの際には、注目を得るために、敢えてそうしているとのことです。
以上が、英語でプレゼンテーションをするうえでのTipsでした。
私も、これを知っていたら、苦労しなかったのにと思います。私の経験を踏まえて、共有できる情報をシェアしてみました。少しでも役に立てたら幸いです。