院内看護研究に取り組まれている看護師さんから、《Q.研究をするにあたり、KJ法を使用するか、グラウンデッド・セオリーか迷いました。どのように、研究デザインを選べばいいのか分かりません。》という質問がありましたので、下記に回答したいと思います。
質的統合法(KJ法)
KJ法は、現象の構造を示すことが最終目的です。
グループワークの道具として活用されることが多いです。特に、雑多なデータやアイディアを図解化して統合するブレインストーミングなどの場面でよく用いられます。
結果の全体像を構造的に示すことができる一方、データの統合されていくプロセスなどを示す結果が表示されにくいなどということがあります。
博士後期課程の学生が執筆した論文において
研究デザイン:質的記述的研究デザイン
データ分析方法:KJ法 と記述されていることからも、KJ法は方法論的位置づけなどだと考えます。
<参考文献>
雑誌 看護研究(医学書院)の41巻1号・2号(2008)にKJ法の特集組まれています。
グラウンデッド・セオリー
フィールドデータを基に理論生成することが目的です。
例えば、キューブラー・ロスの死の受容モデルをイメージすると分かりやすいかも知れません。
理論生成に焦点が当たっているため、人数がある程度必要となります。20人~30人からのデータが必要とされています(古川,2019)。
古川亮子(2019). 看護研究のためのNVivo入門